2010年4月20日火曜日

プロダクトデザインの実務


専門学校・桑沢デザイン研究所の非常勤講師を続けています。プロダクトデザイン夜間部1年のデザイン論です。1年生といっても7割ほどがさまざまな学科の大学を卒業してから、デザインを学びたいということで入学してきます。毎年、初日の講義で私の講義内容のコンテンツを提示して、どんな内容に興味があるか簡単なアンケートをとっています。8つのコンテンツから3つを選ばせる方法です。約10年前、講師を務めはじめたころ、学生に一番関心が高かったのが”人への配慮、ユニバーサルデザイン”でした。ついで、”素材と環境への配慮、エコデザイン”、3年前くらいからは”伝統と造形、民藝と工芸”に関心をもつ学生が増えてきています。しかし、今年は”環境”と”プロダクトデザイン実務”、”デザインビジネス”が同数で並びました。デザインビジネスはデザイン業界の話、デザイナーとして自立するために必要な内容を講義しています。産業構造の変化、終身雇用制の崩壊に代表される雇用環境の激変、就職難の時代を反映していると言えるでしょうが、同時に、会社が仕事を教えてくれる時代が終わり、自ら積極的にキャリアアップを図っていかなければならない厳しさを感じての結果であると考えています。

タイムスリップ


2月も中旬を過ぎ少し日も長くなったパリ、たそがれ時のオルセー美術館です。しかしまあ立派な建物ですね。とても駅だったとは思えません。現在も残されている建物妻面の大時計はそのままに、当時の小さな蒸気機関車と客車が並んでいる写真を見たことがありますが、石炭の煙のにおい、旅行客やポーターたちの喧騒、今回は駅だった頃に想いを馳せながら回廊状の二階部分をゆっくり鑑賞しました。ヨーロッパの都市の鉄道駅は壮大なアーチだったりドームだったり、それほど多く訪れたわけではありませんが、鋳鉄の柱、リベットだらけの鉄骨、まさに鉄の時代、1900年代初頭にタイムスリップです。今回、ブリュッセル行きに乗るためパリ北駅も初めて訪れましたがヨーロッパの駅は見ていて飽きませんね。

久しぶりのパリ


2月なかばにパリに行きました。ヨーロッパでも北寄りは年が明けると徐々に日が長くなりますが、天気には恵まれましたもののまだ寒かったですね。朝、チュイルリー公園あたりを歩いて、リボリ通りの堂々としたホテルやアパルトマンを眺めていると”パリに来たなあ”と感じます。目的はいちおう”勉強”ということなので、ルーブルやオルセー美術館はむろん欠かせません。毎回新しい発見がありますね。しかし、中国人の観光客が多かったですね。やかましいのです。むかしの日本人観光客もこんなだったのでしょうか。東京でもちょっと話題の美術展は平日でも行列状態でゆっくり鑑賞など出来ません。画像はオランジェリー美術館ですが、ここはさすがに団体客はいません、静謐そのもの、画家の世界に浸ることが出来ます。贅沢ですね。やはり美術館はこうでなくてはいけません。

2010年4月7日水曜日

桜の季節





今年も桜の季節です。ホームページを少しリニューアル。このトピックス、chamereon cafeも仕切り直し、Kaeru Cafeとしてリニューアルしました。そして学校も新年度。昨年から引き受けている大学の講師、以前からのデザイン専門学校の講師は10年目となります。会員として所属するインダストリアルデザイナー協会、デザイン相談をお引き受けしている東京都の財団法人も新年度です。さて、肝心のデザインワーク、産業構造の変化、社会の変化を受けて、従来型のものづくり、プロダクトデザインの概念とは趣を異にした多彩な依頼をいただいております。こうした現実が何を指向しているのか、どこに向かうのか、とても興味を持っています。なにか新しい産業、ビジネスの予感がしています。