2010年4月20日火曜日

プロダクトデザインの実務


専門学校・桑沢デザイン研究所の非常勤講師を続けています。プロダクトデザイン夜間部1年のデザイン論です。1年生といっても7割ほどがさまざまな学科の大学を卒業してから、デザインを学びたいということで入学してきます。毎年、初日の講義で私の講義内容のコンテンツを提示して、どんな内容に興味があるか簡単なアンケートをとっています。8つのコンテンツから3つを選ばせる方法です。約10年前、講師を務めはじめたころ、学生に一番関心が高かったのが”人への配慮、ユニバーサルデザイン”でした。ついで、”素材と環境への配慮、エコデザイン”、3年前くらいからは”伝統と造形、民藝と工芸”に関心をもつ学生が増えてきています。しかし、今年は”環境”と”プロダクトデザイン実務”、”デザインビジネス”が同数で並びました。デザインビジネスはデザイン業界の話、デザイナーとして自立するために必要な内容を講義しています。産業構造の変化、終身雇用制の崩壊に代表される雇用環境の激変、就職難の時代を反映していると言えるでしょうが、同時に、会社が仕事を教えてくれる時代が終わり、自ら積極的にキャリアアップを図っていかなければならない厳しさを感じての結果であると考えています。